悪徳商法に関する事例をメールにてお知らせください。プライバシーに充分配慮して、このページで報告させていただきます。


 ここに掲載のものは、被害者からの自己申告によるもので、悪徳商法業者と思われる相手方の調査をしているわけではありません。
 悪徳商法の定義は定かではありませんが、宮内の判断により悪徳商法であると思われるものを掲載しています。
 被害者の中には、被害者自身の不注意や軽率な行動があるのかもしれません。しかし被害者を責める目で、このページを見ないでください。被害者はあくまで被害者なのです。
 悪徳業者は、一般市民の不注意や軽率な行動をねらって商法をしかけているのです。
 人間は皆弱いものです。金、異性、子供に強い人間などいません。悪徳業者は、この人間の弱みにつけこんで計画的に次々と商法をしかけるのです。

被害実例報告

マルチ商法(化粧品販売)
呉服展示会のアルバイトのつもりが
呉服販売のアルバイト
出張ホスト
軽急便

月報司法書士(日本司法書士会連合会発行)に、私の所属している消費費者問題対策推進委員会(悪徳商法対策部会)の委員によって、1999年12月号から2000年12月号まで、悪徳商法について連載をしました。(9月号以降は日本司法書士会連合会ホームページに掲載され次第リンクします。)

掲載号 テーマ(日本司法書士会連合会ホームページへのリンク) 執筆者
00年8月号 原野商法(2) 宮内豊文
00年7月号 原野商法(1)(P22まで下へスクロールしてください。) 宮内豊文
00年6月号 マルチ商法 大澄正人
00年5月号 資格商法(電話勧誘販売) 大澄正人
00年4月号 かたり商法 小口一成
00年3月号 見本工事商法 宮内豊文
00年2月号 催眠商法 小口一成
00年1月号 キャッチセールス、アポイントメントセールス(違法な勧誘) 大澄正人
99年1月号 悪徳商法の被害回復に向けて 宮内豊文


マルチ商法(化粧品販売)


 私は、家庭の事情によりサラ金等からの借り入れをしていましたが、身体も丈夫であったため精力的に働いて収入を得、その返済を続けていました。
 ところが、病気を患い職も失い、後の返済について思案していたところ、知人から化粧品の販売業者である株式会社Aを紹介されました。
 同社の商品を購入し会員となり、次に、他の者を会員として勧誘すれば、その者が購入した商品の代金の何割かが私の収入となる仕組みです。さらに、販売実績に応じて地位が上昇し、上位の地位になる程、自分の収入となる割合が高くなるという、マルチ商法です。
 平成8年頃、私は、会員となって傘下会員を勧誘し、一箇月で50個を販売し、4万5000円の収入を得ることができました。その後も、実績を上げ続け、******マネ−ジャ−という地位になることを薦められました。
 ******マネ−ジャ−になると、新規の会員の購入代金の五割が自分の収入となるのですが、******マネ−ジャ−になるためには、まず、1500個の商品を販売し、東京での研修を受けることが条件となっていました。
 しかし、1500個もの商品を販売することは容易でなく、私はサラ金のA株式会社から50万を借り入れ、病気以前に勤務していた会社の退職金100万円とS信用金庫の定期預金100万円を費やして、知人名義で商品を購入しました。
 また、******マネ−ジャ−の研修ではス−ツ着用が義務づけられ、会員の獲得のためには洋服や化粧などの身なりを整えることが必要だと指導されました。
 私は、クレジットを組まなくてはス−ツを購入することはできませんでしたが、当時は、冷静な判断力を欠いていたことから、******マネ−ジャ−になり収入が上がれば、返済可能であると思い、クレジットを組んでス−ツを購入しました。
 平成9年に******マネ−ジャ−に昇格したものの、月々10万程度の収入にしかなりませんでした。
 昇格後間もなくして、妹が病気で倒れ入院し、他に妹の看病をする者がいなかったため、私が看病をしなくてはならなくなり、会員の勧誘活動に精を出すことができませんでしたので、それ以降は収入が減りつづけていきました。



呉服展示会のアルバイトのつもりが


 私は、平成11年頃知人の紹介を受け、株式会社Sにて呉服の展示会の販売員のアルバイトを始めました。
 株式会社S社員からは、毎月2回程、開催される展示会には呉服を着てくるよう指導されていました。
 私は、呉服を所有していましたので、新たに購入する必要はありませんでしたが、株式会社Sの社員から、販売員となった記念に購入するよう勧められました。
 多人数による執拗な勧誘に根負けした私は、自分にはすでに多額の負債があり、信販会社の審査はとおらないであろうと考えていましたので、その場を立ち去りたい一心で、呉服をクレジットで購入する契約書にサインをしましたが、予想に反しクレジットの審査にとおり借金を負うこととなってしまいました。
 また、展示会の開催前には知人などに案内のチラシを配るのですが、展示会の終了後、販売員が一人ずつ社長の元に呼ばれ、展示会に来なかった知人など、電話で再度勧誘するよう叱責されました。
 私も同様に叱責された後、私に似合う訪問着やコ−トやアクセサリ−等を一式見立てられました。私は時給1000円のアルバイトの身であり、販売実績を上げられなくても、義理を感じる必要はなかったのですが、面と向かい叱責されると、肩身の狭い思いをし、断り切れない状況となってしまいました。
 その他にも、展示会に呉服の織元が来ている時には、織元と会った記念に呉服を購入すべきだと勧められ購入させられてしまったこともありました。
 このようにして、展示会が開催されると、呉服の購入を勧められ、私は収入を得るどころか、呉服等の購入により約500万円ものクレジット債務を負う結果となってしまいました。




呉服販売のアルバイト


 私は、知人の紹介で呉服販売のアルバイトを始めました。私がアルバイトで勤務したのは、Sという呉服を中心に衣料品の販売をする業者でした。
 このSでは、ミーティングと称してアルバイトの店員が集められ、ここで店のチラシを配布され、商品の説明や顧客勧誘の説明を受けます。アルバイトの店員は、配布されたチラシを知人・友人等に配布し店舗に顧客を勧誘するのです。
 アルバイトによる収入は、ミーティング時の時給3000円と勧誘した客が来店した場合、及びその客が店舗にて商品を購入した場合に、販売金額の一部が支払われる仕組みでした。
 私がアルバイトを始めて日の浅い頃、私はSの従業員の5、6名に囲まれ、商品を購入するよう勧められました。
 私は自分の収入では購入が無理ですと断っていたのですが「分割払いで購入すれば、その後のSのアルバイト収入により充分支払える」とSの従業員の5、6名に囲まれた状況で言葉巧みに勧められ、遂には断りきれない状況に負いこまれてしまいました。
 このとき17万円のペッカリーコートと28万円の呉服をクレジットで購入させられました。
 しかし、私がSに勧誘する客の数は限られ、更にSでは、月額30万円〜50万円のノルマを課せられ、これも達成できなかったため、約半年でSのアルバイトは止めましたが、購入した商品のクレジットの残金の支払いは、その後も継続しなくてはならなりませんでした。




出張ホスト


 私は、雑誌の記事で「出張ホスト」というアルバイトがあることを知り申し込みをした。「出張ホスト」とは、「出張ホスト」を斡旋する業者の名簿に登録をし、業者の指定する女性と決められた日時に会い、一定時間を過ごすと高額の金品を相手の女性からもらえるというものです。
 私は、業者と面談し採用してもらえることになりました。但し業者は、入会金及び登録手数料として50万円を振り込むよう伝えてきました。私は、この50万円を母に頼み込み借り入れて支払いました。
 「出張ホスト」のアルバイトでは、相手の女性と喫茶店で話をする程度でしたが、相手の女性は、すごく綺麗な人で、何でこんな人が私とデートする必要があるのだろうかと不思議に思っていました。
 しかし私は、「出張ホスト」のアルバイト中に、相手の女性を不愉快にさせたと業者から強く責められ、このままでは大変なことになると脅され、そのことの責任を取って、この業者のアルバイトを辞めることになりました。
 更に数箇月後にも、別の業者から入会の勧めがあり、担当者の言葉巧みな勧誘に乗せられ、私は前回の失敗を取り返そうと、別の業者に入会金及び登録手数料の60万円を母よりの借り入れにより支払いました。
 今になって冷静に考えれば、何の苦労もしないで高収入が得れる仕事があるはずは無く、これらの業者がいかがわしいもので、仕事上の些細な失敗を責め退職に追い込むことも彼らの常套手段であったことも理解できますが、私は、そのことに気がつかず、後に警察からの連絡により初めて騙されたことを知りました。