とりあえず今でてる事件概要を載せてみる。
補足あったら掲示板かメールで連絡お願いします。


Yahooニュースの転載(上のものが新しいです)



新品のタンク準備=用意周到、計画的犯行か−立てこもり爆発事件・名古屋

 名古屋市の立てこもり爆発事件で、死亡した別府昇容疑者(52)がガソリンを運んだプラスチックのタンクが新品とみられることが19日、分かった。愛知県警東署捜査本部は同容疑者が周到に立てこもりを準備したとみて、タンクの購入先の割り出しを急ぐとともに、現場検証を続け、爆発状況の解明を進める。 (時事通信)

[9月19日7時2分更新]

人質の前で「高飛びする」 容疑者に自爆の意思なし?

 3人が死亡、43人が重軽傷を負った名古屋市の立てこもり爆発で、運送会社「軽急便」(同市中区)の委託業者、別府昇容疑者(52)=死亡=は爆発前に人質から現金を集めた際、「高飛びする」と話していたことが19日、愛知県警東署捜査本部の調べで分かった。
 捜査本部は、別府容疑者が何らかの理由でライターを使って気化したガソリンに引火、爆発したとみているが、当初、自爆する意思はなかった可能性もあるとみて、事件前後の言動を詳しく調べている。(共同通信)

[9月19日6時32分更新]

名古屋立てこもり、死亡の容疑者がライター所持

 名古屋市東区の運送会社「軽急便」名古屋支店立てこもり事件で、ガソリンを入れたポリ容器8個のうち、行方がわからなかった6個の燃え残りや簡易ライターが18日までに、現場から新たに見つかった。

 愛知県警の調べによると、ポリ容器8個は支店内の出入り口付近で、焼けて変形した状態で見つかった。社員の話などから、死亡した契約運転手別府昇容疑者(52)はポリ容器2個だけを持ち込んだとの見方もあったが、実際には購入した8個分計144リットルのガソリンをすべて持ち込んでいたことになる。

 別府容疑者がライターを持っていたことは人質となった社員が目撃していた。最後は死亡した吉川邦男支店長(41)と2人きりだったため、爆発直前の状況ははっきりしない。だが、別府容疑者の遺体は吉川支店長に比べて損傷が激しく、県警は、別府容疑者のライターが、爆発の発火源になった可能性もあるとみている。

 一方、名古屋市消防局は18日、県内のガソリンスタンド1838店が加盟する「県石油商業組合」に対し、消防法順守を徹底するよう文書で通知した。

 同法では、ガソリンを容器に移し替えて販売する際、ポリ容器は10リットルまで、ドラム缶を除く金属製容器は60リットルまでと規定している。別府容疑者は同市熱田区のガソリンスタンドから「機械を洗浄するためのもので、客に配達する」などと偽って、ポリ容器で144リットルのガソリンを購入していた。(読売新聞)

[9月19日4時18分更




爆発の火元はライターか 遺体そば、発炎筒も発見

 3人が死亡、43人が負傷した名古屋市の立てこもり爆発で、現場の同市東区のビル4階にある「軽急便」名古屋支店内に、ライターと発炎筒が落ちていたことが18日、愛知県警東署捜査本部の調べで分かった。
 いずれも委託業者の別府昇容疑者(52)の遺体そばにあった。発炎筒はほとんど燃えていなかったといい、ライターが火元となった疑いが強まった。
 別府容疑者はたばこを吸うという。捜査本部は別府容疑者が脅迫や喫煙など、何らかの理由でライターを使用し、気化したガソリンに引火した可能性が高いとみている。
 別府容疑者の遺体発見現場付近では、ポリタンク8個、洋弓銃と矢9本、サバイバルナイフ1本も見つかった。ポリタンクは別府容疑者が事件直前にガソリン144リットルを購入した際に使った8個のポリタンクと色や形状が同じで、全量を持ち込んだとみられる。(共同通信)

[9月19日2時19分更新]



ガソリン大量販売で業界指導=立てこもり爆発事件−名古屋市消防局

 名古屋市の立てこもり爆発事件で、同市熱田区のガソリンスタンドが別府昇容疑者(52)の用意したポリ容器にガソリンを入れて販売した行為が消防法に違反するとして、同市消防局は18日、愛知県のガソリンスタンド業界団体などに対し、法令を順守するよう文書で指導した。 (時事通信)

[9月18日21時15分更新]



別府容疑者の放火濃厚に=遺体、激しく損傷−立てこもり爆発事件・名古屋

 名古屋市の立てこもり爆発事件で、死亡した別府昇容疑者(52)の遺体の焼け方が激しく、人質になった運送会社「軽急便」名古屋支店の吉川邦男支店長(41)のやけどは遺体の一部だけだったことが18日、愛知県警東署捜査本部の調べで分かった。捜査本部は2人の遺体の状況などから、同容疑者の付けた火がガソリンに引火し、爆発したとの見方を強めた。 (時事通信)

[9月18日19時13分更新]

岐阜・本荘中の立てこもり事件で、危機管理体制質疑−−岐阜市議会代表質問 /岐阜

 岐阜市議会は16日、各会派の代表質問を行った。11日に起きた本荘中学校(岐阜市雲雀ケ丘)の少年立てこもり事件について高橋正議員(自民ク)が、侵入者の未然防止など危機管理体制について質問。安藤征治教育長は「すべての学校に対して危機管理マニュアルの徹底と見直しを進める。施設の問題点を洗い出し、保護者や地域の協力も求めながら対応を進めていきたい」と述べた。
 また、「日経パソコン」が先月発表した全国2640自治体の「情報化ランキング」で岐阜市が全国2位になったことに関して、乾尚美議員(公明)が住基ネットの第2次運用が開始される中「電子市役所」での情報の安全性の確保やウイルス対策について質問。市側は「情報保護に関する対策基準の策定と対策を盛り込んだ実施手順書の作成を進めている」と明らかにした。【折川朋子】(毎日新聞)

[9月17日20時43分更新]

「機械洗うのに使う」 ガソリン購入で別府容疑者

 名古屋市の立てこもり爆発で、死亡した別府昇容疑者(52)が事件前に同市内で大量にガソリンを購入し、ガソリンスタンド店員に「機械の部品を洗うのに使う」と説明していたことが17日、愛知県警東署捜査本部の調べで分かった。
 購入したのはポリタンク8個分、計144リットル。別府容疑者は購入の際「軽急便」の軽ワゴン車で乗り付けており、捜査本部は店から不審に思われるのを避ける狙いがあったとみている。
 ポリタンクは、別府容疑者の軽ワゴン車や自宅から見つかっておらず、捜査本部は事件で使われたガソリンの量や使い道について解明を急ぐ。
 また「軽急便名古屋支店」が入居するビル4階は爆発当時、電源が切られて火の気がないことから、捜査本部は同容疑者がライターなど発火物で放火した疑いが強いとみて調べている。(共同通信)

[9月17日19時7分更新]


「売り上げ少ない」と再三苦情=別府容疑者、軽急便社員らに=立てこもり爆発事件

 名古屋市の立てこもり爆発事件で、死亡した運送業者別府昇容疑者(52)が、運送会社「軽急便」名古屋支社の社員らに、「(自分の)売り上げが少ない」と再三、苦情を訴えていたことが18日、分かった。愛知県警東署捜査本部は、同容疑者が少ない収入を逆恨みし、事件を起こした可能性もあるとみて、関係者らから詳しい事情を聴いている。 (時事通信)

[9月18日8時6分更新]

収入伸びず不満強め犯行か 立てこもりの別府容疑者

 3人が死亡、43人が負傷した名古屋市の立てこもり爆発で、死亡した別府昇容疑者(52)が「軽急便」(名古屋市中区)と契約して事業をする際、多額の投資をしたにもかかわらず収入が伸びず、不満を募らせた疑いが強いことが18日、県警東署捜査本部の調べで分かった。
 別府容疑者は事件5日前の11日、「やめたい。区切りをつけたい」と担当営業所の所長に申し出ており、捜査本部は不満を募らせた揚げ句に会社を恨み、犯行に及んだ疑いがあるとみている。
 調べなどによると、軽急便は個人事業者を会員とするかたちで契約し、荷物輸送を委託。会員は登録料7万円、指導料7万円を支払い、100万円前後の専用車両を購入して事業を始める。
 別府容疑者は1月に契約して3月から荷物の配達を開始。この際、約60万円の頭金を払い、残り約60万円を60回払いするローン契約で軽ワゴン車を購入した。
 一方、会員は荷主の都合に合わせれば月に40万−50万円の収入が可能とされるが、別府容疑者の売り上げは7月から9月までで約25万円にとどまるなど、伸び悩んでいたという。(共同通信)

[9月18日5時48分更新]

<名古屋ビル爆破>別府容疑者が自ら放火の疑い

 名古屋市のビル爆発・炎上事件で、出入り口付近に倒れていた別府昇容疑者(52)の遺体が、激しく焼損していたことが17日分かった。これに対し、窓際に倒れていた吉川邦男支店長(41)の遺体は焼損の程度が比較的軽く、愛知県警などは別府容疑者が出入り口付近で何らかの方法で火を放った疑いを強めている。(毎日新聞)

[9月18日3時5分更新




警部補の通夜、しめやかに=本部長も参列−名古屋立てこもり爆発事件

 名古屋市の立てこもり爆発事件で殉職した愛知県警機動捜査隊の村瀬達哉巡査長(31)の通夜が17日夜、同市千種区南ケ丘の斎場でしめやかに営まれた。
 会場には県警職員や親族ら約500人が参列。突然の死を遂げた村瀬巡査長のめい福を祈った。和田康敬本部長や上司の小山彰雄機動捜査隊長ら県警幹部も出席し、遺影に手を合わせた。 (時事通信)

[9月17日23時6分更新]




<立てこもり>5日前、営業所長が注意 客の苦情相次ぎ

 名古屋市東区東大曽根町の名古屋大曽根第一生命ビルディング4階の「軽急便」名古屋支店で16日、人質を取って立てこもった男がビル4階を爆発、炎上させた事件で、焼死した別府昇容疑者(52)=殺人、放火などの容疑で捜査=が事件5日前、顧客からの苦情が目立つため同社営業所長から注意を受けていたことが17日分かった。別府容疑者は「そんなことはない」と反発、「仕事に区切りをつけて辞めようと思っている」と伝えたという。こうした仕事をめぐるやり取りから同社を逆恨みし、事件につながった可能性もあり、愛知県警も経緯を調べている。

 同社などによると、別府容疑者は今年1月に同社と契約を結び、3月から専業の個人事業主として配送業務を開始。ところが、無断欠勤や、顧客との配送の約束を守らないことがたびたびあり、顧客からの苦情はこれまで少なくとも5〜6件に上るという。他の事業主ならあっても1、2件といい、5カ月という短い期間での別府容疑者への苦情件数は「極めて多い」という。このため別府容疑者の売り上げは個人事業主の平均の半分しかない毎月15万〜20万円程度で9月はわずか約3万円だったという。

 苦情の多さについて、別府容疑者の所属する同社名古屋南営業所の所長(44)が今月に入って3回、別府容疑者と電話で連絡を取り、事件5日前の11日にも話していた。所長は「取引先を同乗させても道が分からなかったり、日曜日の配達を拒否していた。客から直接『(別府容疑者を)外してくれ』と言われたこともあった。『客あっての商売だから苦情があっては成立しにくい』と本人には言った」と話している。

 所長によると、別府容疑者は辞めたい理由を「売り上げが伸びないから」と説明。11日のやり取りでも感情的な言い合いにはならなかったというが、翌12日、別府容疑者が仕事を終えた後、連絡がつかなくなった。このため同営業所は事件のあった16日に再度、連絡を試みようとした矢先だったという。

 一方、愛知県警は17日、爆発によるけが人が2人増え、43人になったと発表した。いずれも一般人で軽傷という。

【樋岡徹也、加藤隆寛】(毎日新聞)

[9月17日15時20分更新]


名古屋ろう城、道連れ自殺の可能性…爆発直前も油まく

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名古屋のビル爆発から一夜明け、現場を調べる捜査員ら(17日午前10時9分)
 

 人質や警官ら3人が死亡した名古屋市東区のビル立てこもり爆発事件で、死亡した別府昇容疑者(52)(名古屋市中川区外新町)が人質7人を解放する直前に、持ち込んだガソリンとみられる油を追加してまいていたことが17日、愛知県警の調べでわかった。

 別府容疑者は、立てこもっていた運送会社「軽急便」名古屋支店の吉川邦男支店長(41)に「お前だけ残れ」と命令し、その直後に爆発が起きており、県警では別府容疑者が当初から社員を道連れに自殺する目的で立てこもった可能性があるとみて、調べている。

 県警は同日、殺人と放火の疑いで県警東署に特別捜査本部を設置した。

 これまでの調べによると、別府容疑者は、事件当日の16日午前、東区内のガソリンスタンドで、ポリ容器8個分、144リットルのガソリンを購入。このうち、少なくとも18リットル入りのポリ容器2個、計40リットル近くを持ち込んだとみられる。同容疑者は押し入った直後、1個をけり倒して床にまき、さらに、人質7人を解放する直前に、再び油を床にまいていた。

 特捜本部では、別府容疑者が大量の油に加え、ボーガン(洋弓銃)やサバイバルナイフを用意するなど、犯行の計画性をうかがわせる一方、会社に要求した7月から9月分の委託料約25万円が振り込まれたにもかかわらず、再び油をまいたことから、当初から「自爆」が目的だった可能性があるとみて調べを進めている。

          ◇

 事件が起きた名古屋市東区のビルでは、午前10時前から愛知県警と名古屋市消防局が現場検証を始めた。(読売新聞)

[9月17日14時13分更新]




支店長殺害、計画的か 事件直前ガソリン大量購入

 名古屋市の立てこもり爆発事件で、死亡した別府昇容疑者(52)が最後に7人の人質を解放した際、前後して室内にガソリンとみられる油を追加してまいていたことが17日、愛知県警の調べで分かった。
 別府容疑者が事件当日の16日午前8時39分、同市東区内のガソリンスタンドでポリタンク8個分、計144リットルのガソリンを購入していたことが判明。県警はこのガソリンの一部が事件に使われたとみている。
 別府容疑者は「軽急便」名古屋支店長吉川邦男さん(41)に「おまえだけ残れ」と命じており、県警は同容疑者が吉川支店長殺害を念頭に大量のガソリンを用意した計画的犯行の疑いが強いとみている。
 また、犯行の大胆さや結果の重大さに比べて要求額が25万円と少なく、金を得た後も人質解放をしばらく渋っていたことから、県警は金そのものよりも軽急便に対する何らかの恨みや憤りを晴らそうとしたとみて、動機の解明を進めている。
 軽傷者はその後の調べで2人増え、けが人は重傷者3人を含めて計43人となった。(共同通信)

[9月17日13時44分更新]




契約無視し支払い要求=金銭苦?トラブルの経緯捜査−立てこもり爆発事件・名古屋

 名古屋市東区の軽自動車貨物運送会社「軽急便」名古屋支店に、同社契約業者の別府昇容疑者(52)が立てこもり、ビル爆発で同容疑者ら3人が死亡、43人が重軽傷を負った事件で、同容疑者が同社に支払いを要求した委託代金は、契約上、今月20日以降に支払われる予定だったことが17日、分かった。
 別府容疑者が人質8人から現金を脅し取ったことも判明している。愛知県警捜査1課は同日、東署に捜査本部を設置、同容疑者の金銭苦が事件を引き起こす一因になった疑いもあるとみて、同社との契約トラブルの有無などについて捜査している。 (時事通信)

[9月17日13時5分更新]




<立てこもり>別府容疑者が事件前にポリ容器8個を購入

 愛知県警と名古屋市消防局は17日、男が人質を取り立てこもり、3時間後に爆発炎上した事件で、別府容疑者が事件の約1時間20分前の16日午前8時40分ごろ、名古屋市東区内のガソリンスタンドでガソリン入りポリ容器8個(計144リットル)を購入していたことが17日、愛知県警の調べで分かった。このうち数個を持って軽急便名古屋支店に押し入ったとみられる。

 調べでは、別府容疑者はスタンドへ軽急便の車で訪れた。県警は16日夜の同容疑者宅や車の捜索で給油伝票などを押収。これまで遺書などは見つかっていないという。

 一方、県警と名古屋市消防局は17日午前9時40分ごろから爆発炎上したビル4階の現場検証を行った。県警約60人、市消防局約10人の計約70人で爆発原因につながるものがないかなどを中心に調べたが、部屋全体にわたって燃えていたという。

【中井正裕、岡崎大輔】(毎日新聞)

[9月17日14時30分更新]




揮発性油は想定外、特殊部隊投入できず…ビル放火

 警察庁は、名古屋市の立てこもり事件で、8人が人質に取られたとの1報が入った直後から、応援部隊を派遣する準備を始めた。

 同庁刑事局は16日昼前、大阪府警に対し、誘拐や立てこもり事件を専門に担当する捜査1課特殊班「MAAT」の出動を準備するよう指示、警備局も、愛知県警警備部に配備されている特殊急襲部隊「SAT」に、待機命令を出した。

 警察庁が、都道府県警察の管轄や、刑事・警備の組織の枠を超え、こうした特殊部隊の投入を検討するようになったのは、昨年9月、福岡県二丈町の民家で立てこもり犯に9歳の女児が刺殺された事件がきっかけだ。当時、犯人は電話を通じてしか交渉に応じず、内部の状況を正確に把握できなかったことが、強行突入直前に女児が殺害される結果につながった。

 このため、同庁刑事局は、同種事件には、訓練を積んだ専門の捜査員が対応する必要があるとして、東日本で起きた場合には警視庁捜査1課の特殊班「SIT」を、西日本で発生した際には大阪府警のMAATをそれぞれ派遣する方針を打ち出した。

 実際、同年12月に静岡県三島市で起きた立てこもり事件には、警視庁SITの捜査員が、犯人と県警捜査員との会話を分析するなどの作業にあたっている。

 また、全国7都道府県に配備されているSATを管轄する警察庁警備局も、立てこもりなどに、凶悪なテロの制圧を任務とするSATを投入することを辞さない、と決めている。

 さらに、この8月からは、全国の捜査1課特殊班のメンバーを対象に、都内の警察大学校で、誘拐や立てこもりの犯人と折衝にあたる「交渉人(ネゴシエーター)」の訓練も実施していた。

 今回はその成果が試される最初の機会のはずだった。揮発性の高い油をまかれたため、爆発につながる特殊せん光弾を使った強行突入ができないという想定外の事情も影響したとみられるが、警察幹部たちはショックを隠せない。

 「同様の事件は、全国どんな地方都市でも起きる可能性がある。事件を防ぐためにも、我々は従来以上に、犯人を説得したり、制圧したりする能力を磨く必要がある」。警察庁幹部の1人はそう話した。(読売新聞)

[9月17日10時23分更新]

支店長殺害、計画的か 恨みが動機の見方強まる

 名古屋市の立てこもり爆発事件で、死亡した別府昇容疑者(52)が最後に7人の人質を解放した際、前後して室内にガソリンとみられる油を追加してまいていたことが17日、愛知県警捜査1課と東署の調べで分かった。
 別府容疑者は「軽急便」名古屋支店長吉川邦男さん(41)に「おまえだけ残れ」と命じており、県警は同容疑者が吉川支店長殺害を念頭に大量のガソリンとみられる油を用意した計画的犯行の疑いが強いとみている。
 また、犯行の大胆さや結果の重大さに比べて要求額が25万円と少なく、金を得た後も人質解放をしばらく渋っていたことから、県警は動機について「金そのものよりも軽急便に対する何らかの恨みや憤りを晴らそうとした」とみている。
 県警は17日午前、ビルを現場検証し、爆発、火災状況の捜査を進める(共同通信)

[9月17日7時9分更新]

<立てこもり爆発>「解放」一転炎の凶行 白昼の路上パニック

 2時間に及んだ説得。そして一部人質の解放。事件の無事解決を誰もが期待したその一瞬、見守った人々を襲ったのはごう音と赤い炎、凶器となって降り注ぐガラスだった。16日白昼、炎天の名古屋市東区で起きた立てこもり事件は、容疑者と人質、警察官の3人が命を落とす最悪の結末を迎えた。ガラス片を浴び、血まみれでうずくまる報道陣や市民、「下がれ、下がれ」と叫ぶ警察官の怒号。一線を踏み越えた容疑者の凶行に、駅前の繁華街は大混乱に陥った。【伊藤一郎、桜井平】

 ★突然の爆発

 「男が立てこもった」という一報を受け、愛知県警や消防署員が現場の「名古屋大曽根第一生命ビル」に急行したのは午前10時半前。正午ごろにはビル南側の歩道上に巨大なエアクッションが設置された。金属製の盾を持った県警機動隊員約10人が正面玄関からビルの中へ入り、説得が続いた。

 交渉に当たった警官によると、別府容疑者は要求していた金が振り込まれたことがわかり、「警察、下がれ」と言ったという。ドアのところで説得していた警官らが後ろに離れた午後1時3分、人質7人が解放された。

 男性社員らが出てきた、その直後。4階窓のブラインドがふわりと舞い上がったかと思うと、奥の方で青白い光が走り、ごう音とともにオレンジ色の炎が噴出した。

 割れた窓ガラスの破片は半径50メートル以上に降り注いだ。あちこちで悲鳴が響き、頭を押さえながら逃げ惑う人でパニック状態に。路上には爆風で飛び散ったガラス片やブラインド、おびただしい書類が散乱。顔や足から血を流した報道陣がそう白になった。黒煙を上げるビル東側の窓からは、一人の男性がうつぶせで右半身を出すようにして助けを求めた。

 ビル3階の警備会社の男性社員(45)は「中には、まだうちの社員もいるんじゃないか」。5階の会社に勤める男性(57)も「最悪の結果になった。不審な人間を入館チェックできなかったのか」といらだった。

 緑色のユニホームを着た軽急便の社員らは報道陣の問いかけにも応じず、ぼうぜんとした表情で、黒い煙が上がるビルを見守った。

 ★記者の証言

 「ズシーン」、「ガシャン」。腹の底にこたえる大きな音に驚いて顔をあげるとビル4階の窓がひしゃげるように割れ、ガラスの雨が周囲に降りそそいだ。

 私(報道センター記者、遠山和彦)は爆発したビルの東約15メートルの路上で取材中だった。

 ガラスの雨を避けるため、とっさに身を伏せたが石ころのようなガラスの塊が2、3頭を直撃した。「やられた」。頭を手で押さえた。おそるおそる手に血がついていないか確かめたが、幸い出血はしていない。4階からは黒い煙がもうもうと立ち上り、煙の間から炎が激しく上り始めた。消防隊の放水を浴びながら現場の様子を中部本社に電話で伝えた。

 左足の靴の中がぶかぶかして歩きにくいので靴を履き直した時、靴の中が血でいっぱいになっていることに気づいた。左足の2カ所にガラス片が刺さっていた。歩くほどに血が吹き出てくる。同僚記者に自分のネクタイを渡し太ももを縛って止血してもらった。

 救急隊員に助けを求め、近くの路上で手当てを受けた。負傷者が次々と運ばれてきた。頭から血を流し白い包帯を真っ赤に染めている男性。私のすぐ横の男性は爆発で顔から胸にかけて熱傷を負いながら携帯電話で何度も身内に連絡を取ろうとしていた。電話を持つ手が震えていた。

 隣の男性は酸素吸入を受けていたが顔は土色で生気がない。すぐに救急車に乗せられていたが、どうしただろうか。

 ★会社側の弁明 「理由分からぬ」

 軽急便本社(名古屋市中区、村上一信社長)は、別府容疑者が所属する名古屋南営業所長に今月11日、「仕事に区切りを付けたい」と契約打ち切りをほのめかしていたことを明らかにする一方で「トラブルがあったということは把握していない」と説明した。

 別府容疑者は、同社と今年1月27日に「会員業務委託契約書」を結び、3月から個人事業主として配送業務を開始。同社のシステムは、支店を通して顧客の依頼を会員ドライバーに連絡し、毎月の売り上げを翌々月の20日に受け取るようになっていた。申請があれば報酬を翌月に受け取る「前借り」も可能だったが、別府容疑者は利用していなかった。

 同社では、荷物の移送には指定するワゴン車を使うように定めており、別府容疑者も約105万円で同社から車を購入。約60万円を支払ったうえで、残金を会社が指定する信販会社で60回払いのローンを組んでいた。

 別府容疑者の売り上げは、毎月10〜20万円程度。立てこもりで要求した金額も7〜9月で計約25万円だった。同社に所属するドライバーは、専業の場合は平均で毎月30万〜40万円の報酬を受け取っているといい、別府容疑者の報酬は少なかった。

 同社では、別府容疑者について「得意先からの苦情があったことはあるが、大きなトラブルはなかった」と説明。和田憲治常務は今回の事態に「理由はつかめていない」と話した。別府容疑者の最後の配送は今月12日だった。

 ★警官突入の矢先

 警察官13人を含む44人が死傷するなど被害が拡大したことについて、愛知県警東署特別捜査本部は16日、「犯人を刺激してはいない。(捜査上の)問題はなかったと思う」との見解を示した。

 県警によると、警察官による説得は、発生から約1時間後の午前11時ごろ始まった。この時、女性従業員ら25人は既に解放され、店内では男性従業員8人が人質になっていた。当初は説得に対する店内からの応答はなかったが、軽急便本社が午後0時10分に別府容疑者の要求に応じて25万円を銀行口座に振り込んだ後、状況は進展。警察官2人が同0時30〜40分に、店のドア越しに「そんなことやるな」と呼びかけると、別府容疑者が店内から「じゃあ1時ごろまでにはやるわ(解放するわ)。その代わりに捜査員を下げろ。一人でも捜査員を見たら火をつける」と応じたため、警察官らはいったんドアから離れたという。

 午後1時3分、別府容疑者は約束通りに人質7人を解放。しかし吉川支店長だけが解放されていなかったため、突入役の警察官数人を後ろに従えた説得役の警察官が様子を見に近づいたところ、中から火が見えた。このため突入を図ろうとした矢先に爆発したという。

 特捜本部はこの時の警察官らの対応を「現場の判断で接近した」と説明。「近づく警察官の姿は犯人に見られていなかった」として、捜査上の落ち度はなかったとの見方を示した。

 ★別府容疑者 「働き者」との評判

 別府容疑者を知る人は一様に「まじめな人」と口をそろえ、事件に驚きを隠さなかった。無口だが、礼儀正しく、借金や家庭内のトラブルも聞いたことがないという。

 同容疑者は大阪府内の中学校を卒業後、名古屋市中川区の建具店に入社。近所に住んでいた妻と結婚し、その後、運送会社を転々とした。しかし、どこでも「働き者」との評判だった。

 同容疑者の義母(74)は「娘はいい人と結婚したと喜んでいたのに、まさかこんな恐ろしいことをしでかすなんて」と涙ながらに話した。14日には「敬老の日」のお祝いで同容疑者の妻と長女が花束などを持ってきたばかりといい、「借金があったとは聞いていないし、私にお金を借りに来たこともない。なぜこんなことになったのか気が動転している」と言葉をつまらせた。

 一方、同容疑者と同じ団地に住み10年以上の付き合いがある女性会社員(52)によると、専業主婦だった同容疑者の妻が昨年から「主人の給料が下がったので働くわ」とパートに出ていたという。女性は「とてもいい家族。(同容疑者は)まじめだから金に困ったわけではなく給料の未払いが我慢できなかったのではないか」と話した。

 また別府容疑者が92年9月から2000年1月まで勤務していた刈谷市の運送会社「大興運輸」の人事担当者(41)によると、当時も金銭トラブルもなく勤務態度もまじめだったという。事件は別府容疑者のかつての同僚が本社に連絡して知ったといい、担当者は「本当にびっくりした」と驚いていた。(毎日新聞)

[9月17日1時52分更新]


<立てこもり爆発>「解放」一転炎の凶行 白昼の路上パニック

 2時間に及んだ説得。そして一部人質の解放。事件の無事解決を誰もが期待したその一瞬、見守った人々を襲ったのはごう音と赤い炎、凶器となって降り注ぐガラスだった。16日白昼、炎天の名古屋市東区で起きた立てこもり事件は、容疑者と人質、警察官の3人が命を落とす最悪の結末を迎えた。ガラス片を浴び、血まみれでうずくまる報道陣や市民、「下がれ、下がれ」と叫ぶ警察官の怒号。一線を踏み越えた容疑者の凶行に、駅前の繁華街は大混乱に陥った。【伊藤一郎、桜井平】

 ★突然の爆発

 「男が立てこもった」という一報を受け、愛知県警や消防署員が現場の「名古屋大曽根第一生命ビル」に急行したのは午前10時半前。正午ごろにはビル南側の歩道上に巨大なエアクッションが設置された。金属製の盾を持った県警機動隊員約10人が正面玄関からビルの中へ入り、説得が続いた。

 交渉に当たった警官によると、別府容疑者は要求していた金が振り込まれたことがわかり、「警察、下がれ」と言ったという。ドアのところで説得していた警官らが後ろに離れた午後1時3分、人質7人が解放された。

 男性社員らが出てきた、その直後。4階窓のブラインドがふわりと舞い上がったかと思うと、奥の方で青白い光が走り、ごう音とともにオレンジ色の炎が噴出した。

 割れた窓ガラスの破片は半径50メートル以上に降り注いだ。あちこちで悲鳴が響き、頭を押さえながら逃げ惑う人でパニック状態に。路上には爆風で飛び散ったガラス片やブラインド、おびただしい書類が散乱。顔や足から血を流した報道陣がそう白になった。黒煙を上げるビル東側の窓からは、一人の男性がうつぶせで右半身を出すようにして助けを求めた。

 ビル3階の警備会社の男性社員(45)は「中には、まだうちの社員もいるんじゃないか」。5階の会社に勤める男性(57)も「最悪の結果になった。不審な人間を入館チェックできなかったのか」といらだった。

 緑色のユニホームを着た軽急便の社員らは報道陣の問いかけにも応じず、ぼうぜんとした表情で、黒い煙が上がるビルを見守った。

 ★記者の証言

 「ズシーン」、「ガシャン」。腹の底にこたえる大きな音に驚いて顔をあげるとビル4階の窓がひしゃげるように割れ、ガラスの雨が周囲に降りそそいだ。

 私(報道センター記者、遠山和彦)は爆発したビルの東約15メートルの路上で取材中だった。

 ガラスの雨を避けるため、とっさに身を伏せたが石ころのようなガラスの塊が2、3頭を直撃した。「やられた」。頭を手で押さえた。おそるおそる手に血がついていないか確かめたが、幸い出血はしていない。4階からは黒い煙がもうもうと立ち上り、煙の間から炎が激しく上り始めた。消防隊の放水を浴びながら現場の様子を中部本社に電話で伝えた。

 左足の靴の中がぶかぶかして歩きにくいので靴を履き直した時、靴の中が血でいっぱいになっていることに気づいた。左足の2カ所にガラス片が刺さっていた。歩くほどに血が吹き出てくる。同僚記者に自分のネクタイを渡し太ももを縛って止血してもらった。

 救急隊員に助けを求め、近くの路上で手当てを受けた。負傷者が次々と運ばれてきた。頭から血を流し白い包帯を真っ赤に染めている男性。私のすぐ横の男性は爆発で顔から胸にかけて熱傷を負いながら携帯電話で何度も身内に連絡を取ろうとしていた。電話を持つ手が震えていた。

 隣の男性は酸素吸入を受けていたが顔は土色で生気がない。すぐに救急車に乗せられていたが、どうしただろうか。

 ★会社側の弁明 「理由分からぬ」

 軽急便本社(名古屋市中区、村上一信社長)は、別府容疑者が所属する名古屋南営業所長に今月11日、「仕事に区切りを付けたい」と契約打ち切りをほのめかしていたことを明らかにする一方で「トラブルがあったということは把握していない」と説明した。

 別府容疑者は、同社と今年1月27日に「会員業務委託契約書」を結び、3月から個人事業主として配送業務を開始。同社のシステムは、支店を通して顧客の依頼を会員ドライバーに連絡し、毎月の売り上げを翌々月の20日に受け取るようになっていた。申請があれば報酬を翌月に受け取る「前借り」も可能だったが、別府容疑者は利用していなかった。

 同社では、荷物の移送には指定するワゴン車を使うように定めており、別府容疑者も約105万円で同社から車を購入。約60万円を支払ったうえで、残金を会社が指定する信販会社で60回払いのローンを組んでいた。

 別府容疑者の売り上げは、毎月10〜20万円程度。立てこもりで要求した金額も7〜9月で計約25万円だった。同社に所属するドライバーは、専業の場合は平均で毎月30万〜40万円の報酬を受け取っているといい、別府容疑者の報酬は少なかった。

 同社では、別府容疑者について「得意先からの苦情があったことはあるが、大きなトラブルはなかった」と説明。和田憲治常務は今回の事態に「理由はつかめていない」と話した。別府容疑者の最後の配送は今月12日だった。

 ★警官突入の矢先

 警察官13人を含む44人が死傷するなど被害が拡大したことについて、愛知県警東署特別捜査本部は16日、「犯人を刺激してはいない。(捜査上の)問題はなかったと思う」との見解を示した。

 県警によると、警察官による説得は、発生から約1時間後の午前11時ごろ始まった。この時、女性従業員ら25人は既に解放され、店内では男性従業員8人が人質になっていた。当初は説得に対する店内からの応答はなかったが、軽急便本社が午後0時10分に別府容疑者の要求に応じて25万円を銀行口座に振り込んだ後、状況は進展。警察官2人が同0時30〜40分に、店のドア越しに「そんなことやるな」と呼びかけると、別府容疑者が店内から「じゃあ1時ごろまでにはやるわ(解放するわ)。その代わりに捜査員を下げろ。一人でも捜査員を見たら火をつける」と応じたため、警察官らはいったんドアから離れたという。

 午後1時3分、別府容疑者は約束通りに人質7人を解放。しかし吉川支店長だけが解放されていなかったため、突入役の警察官数人を後ろに従えた説得役の警察官が様子を見に近づいたところ、中から火が見えた。このため突入を図ろうとした矢先に爆発したという。

 特捜本部はこの時の警察官らの対応を「現場の判断で接近した」と説明。「近づく警察官の姿は犯人に見られていなかった」として、捜査上の落ち度はなかったとの見方を示した。

 ★別府容疑者 「働き者」との評判

 別府容疑者を知る人は一様に「まじめな人」と口をそろえ、事件に驚きを隠さなかった。無口だが、礼儀正しく、借金や家庭内のトラブルも聞いたことがないという。

 同容疑者は大阪府内の中学校を卒業後、名古屋市中川区の建具店に入社。近所に住んでいた妻と結婚し、その後、運送会社を転々とした。しかし、どこでも「働き者」との評判だった。

 同容疑者の義母(74)は「娘はいい人と結婚したと喜んでいたのに、まさかこんな恐ろしいことをしでかすなんて」と涙ながらに話した。14日には「敬老の日」のお祝いで同容疑者の妻と長女が花束などを持ってきたばかりといい、「借金があったとは聞いていないし、私にお金を借りに来たこともない。なぜこんなことになったのか気が動転している」と言葉をつまらせた。

 一方、同容疑者と同じ団地に住み10年以上の付き合いがある女性会社員(52)によると、専業主婦だった同容疑者の妻が昨年から「主人の給料が下がったので働くわ」とパートに出ていたという。女性は「とてもいい家族。(同容疑者は)まじめだから金に困ったわけではなく給料の未払いが我慢できなかったのではないか」と話した。

 また別府容疑者が92年9月から2000年1月まで勤務していた刈谷市の運送会社「大興運輸」の人事担当者(41)によると、当時も金銭トラブルもなく勤務態度もまじめだったという。事件は別府容疑者のかつての同僚が本社に連絡して知ったといい、担当者は「本当にびっくりした」と驚いていた。(毎日新聞)

[9月17日1時52分更新]


<立てこもり>支店長、警官ら3人死亡、41人重軽傷 名古屋

 名古屋市東区東大曽根町本通の名古屋大曽根第一生命ビルディング4階の軽急便(村上一信社長)名古屋支店で16日、男が人質を取って立てこもり、約3時間後ビル4階が爆発、炎上した事件で、現場にいた村瀬達哉・愛知県警機捜隊巡査長(31)が一酸化炭素中毒死し、死者は3人となった。他に死亡した2人も、愛知県警が、立てこもった名古屋市中川区外新町、別府昇容疑者(52)と人質の吉川邦男支店長(41)と確認した。また、けが人は警察官14人、消防隊員2人、ビル周辺にいた人ら計41人に上り、うち警察官3人が重傷を負った。

 別府容疑者の死因は焼死で、県警は被疑者死亡として殺人、放火などで捜査する。県警は同日夜、別府容疑者宅の家宅捜索を行った。

 調べでは、「7〜9月分の給料(報酬)を振り込め」との要求に応じ、同社が正午過ぎ、別府容疑者の銀行口座に25万円を振り込んだ後、警察官2人が支店のドア越しに「そんなことするな」と説得。別府容疑者は「(人質解放の)代わりに警察官を(後ろに)下げろ。一人でも見たら火をつける」と要求したうえで、人質8人のうち7人を解放した。しかし吉川支店長だけが解放されなかったため警察官らがドアへ近づき、支店内の火に気づいて突入する直前、爆発した。

 吉川支店長は別府容疑者から「お前は残れ」と命じられたという。また当時、警察官約20人がビル4階付近で説得や突入に備えており、村瀬巡査長は3〜4階の階段付近にいた。爆発直前、店内には気化したガソリンが充満していたとみられ、県警は別府容疑者が何らかの方法で火をつけたとみている。

 別府容疑者は同社が今年1月から契約している業者で、同社名古屋支店名古屋南営業所(名古屋市天白区)所属。人質になった従業員らとは顔見知りだった。7月ごろから「給料(報酬)が少ない」と不満を訴え、仕事の依頼を断るようになったため、同社は今週初め、勤務態勢や報酬について別府容疑者と話し合う予定だったという。同社の報酬は毎月月末に締めて翌々月の20日に支払われるシステムだった。

 別府容疑者はサバイバルナイフ(刃渡り約25センチ)とボーガン(洋弓銃)を持って押し入り、店内にいた従業員33人のうち25人(うち女性23人)を最初に解放。支店内の応接室で吉川支店長を通じて同社と交渉したという。現場近くの路上で別府容疑者が乗ってきたとみられる軽急便の車も見つかった。

 別府容疑者は、妻(48)、長男(21)、長女(18)の4人暮らし。妻は昨年、「主人の給与(報酬)が下がった」と話していたという。

 民間の信用調査会社、帝国データバンクによると、軽急便は主に企業を顧客にし、軽四輪車両を使って小口荷物の運送を手がけている。83年に設立され、資本金は約2億円。社員数は約120人。名古屋市中区に本社があり、東京、大阪などに支店がある。02年度の売上高は約66億円と、全国でも上位規模という。同社は、自社で営業車両を持たず、契約を結んだ「個人会員」に運送業務を委託する形で営業をしている。

 ★人質から金集める

 人質となっていた従業員によると、別府容疑者は、会社側から支払いがないことにいらだち、「おまえらがたてかえろ」と人質に要求。吉川支店長を除く7人が計7万2000円を集め、さらに吉川支店長も金を出して、別府容疑者に手渡した。別府容疑者は「この金で海外に高飛びする」と話したという。(毎日新聞)

[9月17日2時39分更新]


Yahooより抜粋